winmail.dat
懐かしいなあ。微かな記憶がよみがえります。昨日から「少年マガジン」1971年6
号(2月7日号)を読み始めたのですが、この号は記憶にあるのですね。
1971年の2月といえば私はまだ中学生ですね。もう「ガロ」と「COM」しか買ってない
ので、どこで読んだのかなあと記憶をたどると、あそこ、そう、あそこに間違いな
い。散髪屋ですよ。自分の順番が呼ばれるまでの短い時間です。確かに記憶に残るほ
どマガマガしい当時の少年マガジンでした。マガジンだけに。だからこそ今になっ
て、ハマッテるんです。
ずっと再び出会いたかったのです、『魂シンガー』。ソウル・シンガーと読みます。
馴染みのない絵柄。どのマンガ家にも似ていないような独特さ。ラフでヘタと紙一重
の絵。まるで『ガロ』の紙面みたいです。
そしてトラウマというほどではないけれど、記憶の底に眠るタイトルも知らなかった
作品。それがこの号では最終回を迎えておりました。『小さな野獣』。館友二先生の
作。
そして『魂シンガー』の新連載第一回、これも館友二先生の作。1冊で連載の最終回
と新連載が同時に掲載です。少年マガジンがこの館友二先生をいかに大プッシュして
いたかということが分かります。連載物で初登場したのですからね。全くの新人だそ
うです。『小さな野獣』のアオリには、新人の館友二先生が丸2年の歳月をかけて完
成したとありました。想像ですが新人の持ち込み原稿を何度も何度も改稿させてデ
ビューさせたのじゃないかなと思うのですが。ちょうど、ちばてつや先生が病気で
『あしたのジョー』長期休載中ですし。
私は館友二先生の絵柄を好みます。単行本は1冊も出ていないように思います。『小
さな野獣』と『魂シンガー』を少年マガジンでコンプリートしたいな。異色の演歌&
ジャズ芸能界劇画『魂シンガー』の最終回は、調べたところ1971年19号です。
よしわかった。1971年20号までコレクション対象にしよう。キリが20の方がよいか
ら。さて、私の「少年マガジン」コレクションの始まりをどこにするか、新中学生に
なった4月にするか、それとも頂点を極めた1970年の前年の1969年の1号にするか。書
棚を調べたら1969年の少年マガジンは17冊もあった。残り35冊か34冊か33冊(合併号
というのが正月や盆頃にあるので、正確にはまだわからない)。
うん、なんとなくだけど、1969年の1号から1971年の20号までプラス1970年の別冊12
冊にしよう。全部そろえば130冊くらい。そのうちもう40冊くらいはすでに持ってる
し、残りは1冊1000円でも9万円くらいじゃないか。3年かけてぐらいのつもりだから1
年で3万円じゃないか。ちょっとプレミアのついたレコード1枚よりも安いじゃない
か。でも、でも、なかなか見つからないのですよ。まだ今のところは欠号が多いから
それなりに出会えるけれど。特に別冊が、ない。
ちなみに館友二先生のことを調べても全然資料がでてきません。少年マガジンを離れ
たのち、1973、4年くらいまでに、少年サンデーや少年キングの増刊号や月刊誌など
にトライアル的な短編が掲載されているが。名を変え三流エロ雑誌の方に流れて行っ
たのかもしれないし、筆を折ったのかもしれない。情報求む。
『小さな野獣』と『魂シンガー』を読み終えることができたときに、どういう感想を
持つのか、私にはまだわからない。でも、読みたい。中学生のあの日からずっと、記
憶の中で、砂浜のたった一粒の砂だったかもしれないけれど、確実に光を放っていた
のだ。