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白いのは、だれ、というディスカッションがオモシロかったなあ。ヒナなのかハゲ
なのかウマなのか。どうやら〇〇(ヒミツ)で決着。そういう演技になった。稽古場
のこういう時間が好きだし、大切なことだと思う。
2021年08月30日
2021年08月29日
28日(『深沙大王』稽古20回目。)
いやあ、もう20回目かあ。ええ、そんなに稽古やったけえ、早いなあ、という心
境。昨日は舞台監督さん、今日は音響さんが参加。粛々とやるべきことをやり続ける
しかないのだ。
境。昨日は舞台監督さん、今日は音響さんが参加。粛々とやるべきことをやり続ける
しかないのだ。
2021年08月28日
27日(『深沙大王』稽古19回目。)
俳優中心主義。稽古場での、演出のわがままセンセイションは、最低限に。もうす
でに大きな提案を済ませて、俳優さんたちを縛り切っているからね。今回の台本との
闘いには、それが理に合っている。
でに大きな提案を済ませて、俳優さんたちを縛り切っているからね。今回の台本との
闘いには、それが理に合っている。
2021年08月26日
25日(『深沙大王』稽古18回目。)
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スタジオ315にて。これからもずっと稽古は、スタジオ315になるようなので、もう
稽古場を記入する必要はないか。
俳優のディスカッションによる稽古が中心となった。音響さんも音をさぐりさぐり
叩いてくれた。私は今日のような稽古はとても好ましいように思う。これぞ創造の
場、と考えるからだ。そんななか、ちょっといらだつような、不満に思うようなこと
もあって、稽古終了間際に声を荒げてしまった。こんな時は、居酒屋で稽古の続きが
やれれば、さらに有意義な時間にもなりえるのだけれども、そのままオツカレサンで
した、解散では、少し残念だ。
台本に書かれてあることをなぞったって仕方がない。血の通ったニンゲンにしてく
れ!
スタジオ315にて。これからもずっと稽古は、スタジオ315になるようなので、もう
稽古場を記入する必要はないか。
俳優のディスカッションによる稽古が中心となった。音響さんも音をさぐりさぐり
叩いてくれた。私は今日のような稽古はとても好ましいように思う。これぞ創造の
場、と考えるからだ。そんななか、ちょっといらだつような、不満に思うようなこと
もあって、稽古終了間際に声を荒げてしまった。こんな時は、居酒屋で稽古の続きが
やれれば、さらに有意義な時間にもなりえるのだけれども、そのままオツカレサンで
した、解散では、少し残念だ。
台本に書かれてあることをなぞったって仕方がない。血の通ったニンゲンにしてく
れ!
2021年08月25日
24日(『深沙大王』稽古17回目。)
スタジオ315にて。もう17回目なのかあ。手強い台本であります。あたりまえにや
ると危険な台本であります。〈エンゲキ〉であること。それを信じて。なにも怖くな
い。
ると危険な台本であります。〈エンゲキ〉であること。それを信じて。なにも怖くな
い。
2021年08月23日
22日(『深沙大王』稽古16回目。)
スタジオ315にて。まだ進化し始めたとは言い難いけれども、そのための下馴らし
をしているところ。私のイメージでは、にぎやかな、愉しい芝居になると思っている
のですが。今日も衣装さんが稽古場に。プランを確認させていただきました。
をしているところ。私のイメージでは、にぎやかな、愉しい芝居になると思っている
のですが。今日も衣装さんが稽古場に。プランを確認させていただきました。
20日(『深沙大王』稽古15回目、そして熊取ゆうゆう大学の講座および発表公演は、またまた延期です。)
ううう、新型コロナの緊急事態宣言が大阪府に発令されたからでおます。緊急ミー
ティングにて、当然のごとく、延期が決定。再開は10月からの予定。スケジュール的
には、国指定重要文化財中家住宅での発表公演は、無理。冷暖房設備がないから寒い
のです。
さて、粛々と進行する『深沙大王』の稽古は、下京いきいき市民活動センターに
て。京都府は、まん延防止等重点措置がとられているので、20時の退出時間。稽古時
間は、1時間あったかどうかってところですが、今日の稽古シーンにおいて新しいス
テージでの闘いを示唆できたということで、私としましては有意義でおました。
ティングにて、当然のごとく、延期が決定。再開は10月からの予定。スケジュール的
には、国指定重要文化財中家住宅での発表公演は、無理。冷暖房設備がないから寒い
のです。
さて、粛々と進行する『深沙大王』の稽古は、下京いきいき市民活動センターに
て。京都府は、まん延防止等重点措置がとられているので、20時の退出時間。稽古時
間は、1時間あったかどうかってところですが、今日の稽古シーンにおいて新しいス
テージでの闘いを示唆できたということで、私としましては有意義でおました。
2021年08月20日
19日(カナブン。)
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ちょっと涼しい夜。きつい雨が降ったりやんだり。日が暮れて、家の中でカナブン
が翅を唸らせゴツンゴツンと、明かりに向かって体当たりを繰り返しはじめた。どこ
から入ってきたんだい。久しぶり。私が子どもの頃には、夏の夜、よく遊びにきてく
れたね。エアコンつけてるから締め切っているのでどこから入ってきたのか。保護し
て外へ放ってやる。ああ、トイレの小窓が開いていた。
ちょっと涼しい夜。きつい雨が降ったりやんだり。日が暮れて、家の中でカナブン
が翅を唸らせゴツンゴツンと、明かりに向かって体当たりを繰り返しはじめた。どこ
から入ってきたんだい。久しぶり。私が子どもの頃には、夏の夜、よく遊びにきてく
れたね。エアコンつけてるから締め切っているのでどこから入ってきたのか。保護し
て外へ放ってやる。ああ、トイレの小窓が開いていた。
2021年08月19日
18日(『深沙大王』稽古14回目。)
まあ、順調といって良いのでは、という感じです。本日は、衣装さんが稽古場へ。
今回の稽古場では、いつもとはちょっと違って、静粛に役に打ち込んで真摯に稽古に
立ち向かうという役柄もあれば、祝祭のような感覚で羽目を外すような大胆さを要求
される役柄もある。昔(って、いつのことやねん)やった野外劇・テント芝居のよう
な感じになりそうである。鏡花さんの戯曲なのに、である。
今回の稽古場では、いつもとはちょっと違って、静粛に役に打ち込んで真摯に稽古に
立ち向かうという役柄もあれば、祝祭のような感覚で羽目を外すような大胆さを要求
される役柄もある。昔(って、いつのことやねん)やった野外劇・テント芝居のよう
な感じになりそうである。鏡花さんの戯曲なのに、である。
2021年08月18日
17日(『深沙大王』稽古13回目。)
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さて稽古は幕開けに戻って、と、やはりなかなかタイヘンですけど、気楽に戯れる
ような感覚で楽しくやることで、戯曲と融和できるように思っております。実は結
構、喜劇なんですよ。『多神教』とか『お忍び』がそうであったように。稽古中、私
はいつも、吉本新喜劇、吉本新喜劇と、浮かされたようにアタマのなかで念じており
ます。それがこの戯曲を上演するにあたっての、正解を導いてくれるカギであるとに
らんでおるわけです。
さて稽古は幕開けに戻って、と、やはりなかなかタイヘンですけど、気楽に戯れる
ような感覚で楽しくやることで、戯曲と融和できるように思っております。実は結
構、喜劇なんですよ。『多神教』とか『お忍び』がそうであったように。稽古中、私
はいつも、吉本新喜劇、吉本新喜劇と、浮かされたようにアタマのなかで念じており
ます。それがこの戯曲を上演するにあたっての、正解を導いてくれるカギであるとに
らんでおるわけです。
2021年08月14日
13日(『深沙大王』稽古12回目。)
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スタジオ315にて。コロナ陽性者が激増で世の中怪しい雰囲気。それでも地道に、
やるべきことはやらねばならない。音響さん、今日も付き合ってくれた。なんせラス
トはすさまじいからね。音響も、照明も、舞台効果的なるものも。こりゃ、上演拒否
だわなあと、つくづく思う(鏡花さんに戯曲執筆依頼をした新派さんが結局、『高野
聖』を脚色台本化したものに差し替えて上演。当時、『深沙大王』の上演告知ポス
ターまで作られていたのに)。
場当り的な場当たり稽古も、とうとうラストまでたどり着いた。全体の絵もぼんやり
と見えてきた。大きな舞台で大勢の人数で上演するより、今回の私たちみたいな、た
とえばアングラ・テント芝居のような上演方法の方が、たぶん正解だと思う。大きい
劇場でかしこまって(まじめに!)上演しようとすれば、失敗が約束されているよう
に、私には思えるのだ。いや、私たちの上演がどうなるかは、まだまだ未知数であり
ますが。
スタジオ315にて。コロナ陽性者が激増で世の中怪しい雰囲気。それでも地道に、
やるべきことはやらねばならない。音響さん、今日も付き合ってくれた。なんせラス
トはすさまじいからね。音響も、照明も、舞台効果的なるものも。こりゃ、上演拒否
だわなあと、つくづく思う(鏡花さんに戯曲執筆依頼をした新派さんが結局、『高野
聖』を脚色台本化したものに差し替えて上演。当時、『深沙大王』の上演告知ポス
ターまで作られていたのに)。
場当り的な場当たり稽古も、とうとうラストまでたどり着いた。全体の絵もぼんやり
と見えてきた。大きな舞台で大勢の人数で上演するより、今回の私たちみたいな、た
とえばアングラ・テント芝居のような上演方法の方が、たぶん正解だと思う。大きい
劇場でかしこまって(まじめに!)上演しようとすれば、失敗が約束されているよう
に、私には思えるのだ。いや、私たちの上演がどうなるかは、まだまだ未知数であり
ますが。
2021年08月12日
11日(『深沙大王』稽古11回目。)
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スタジオ315にて。本日、音響さんが稽古場へ。戯曲のあまりの難解さゆえ、みん
な危機感をいだいている、そんな感じです。ところが、なにを隠そう実は、稽古の進
捗具合はすこぶる順調です。まあ、今のところ。それはなぜかといいますと、声を大
にしてお伝えしたいです、つまり、俳優さんたちが、すばらしい! それに尽きるの
です。すごい、すごい、すごい。ありがとう。
明治時代の末、新派さんから依頼されて書いた鏡花さんの初めての戯曲ですが、結
局、上演されませんでした。読んだらわかります。上演なんか、普通のアタマではで
きないですよ。バカにならないと。私らみたいな、何でもありを経験してないと、っ
てこれは自慢してもいいのかもしれません。自画自賛ってか、恥ずかしい。
いや、つまり、稽古場、苦しいのかと思いきや、愉しいです。とりあえず、今のと
ころは、ですが。
スタジオ315にて。本日、音響さんが稽古場へ。戯曲のあまりの難解さゆえ、みん
な危機感をいだいている、そんな感じです。ところが、なにを隠そう実は、稽古の進
捗具合はすこぶる順調です。まあ、今のところ。それはなぜかといいますと、声を大
にしてお伝えしたいです、つまり、俳優さんたちが、すばらしい! それに尽きるの
です。すごい、すごい、すごい。ありがとう。
明治時代の末、新派さんから依頼されて書いた鏡花さんの初めての戯曲ですが、結
局、上演されませんでした。読んだらわかります。上演なんか、普通のアタマではで
きないですよ。バカにならないと。私らみたいな、何でもありを経験してないと、っ
てこれは自慢してもいいのかもしれません。自画自賛ってか、恥ずかしい。
いや、つまり、稽古場、苦しいのかと思いきや、愉しいです。とりあえず、今のと
ころは、ですが。
10日(『深沙大王』稽古10回目。)
谷町6丁目のスタジオ315にて。思うのは、手に負えないヤンチャな戯曲であるとい
うこと。すさまじい。そらだれも上演しようという勇気が持てんわ、という、そんな
感じですよ。アハハ。
うこと。すさまじい。そらだれも上演しようという勇気が持てんわ、という、そんな
感じですよ。アハハ。
9日(寺で修行。)
私は18歳前後から、こう言い放っていた。政治と宗教は大っ嫌い。それは今でも変
わらない。しかし、甘い夢をみて、宗教に係ってしまったのだ。それを今は大反省し
ている。仏教の歴史とか経典の言わんとすることを理解しようとする作業は、結構肌
にあっている。しかし、しかしである、その世界に身を置く人たちへの幻滅、これが
はなはだしい。
わらない。しかし、甘い夢をみて、宗教に係ってしまったのだ。それを今は大反省し
ている。仏教の歴史とか経典の言わんとすることを理解しようとする作業は、結構肌
にあっている。しかし、しかしである、その世界に身を置く人たちへの幻滅、これが
はなはだしい。
2021年08月08日
6日(『深沙大王』稽古9回目。)
下京いきいき市民活動センターにて。冒頭のシーン、正味1時間の稽古。上手く伝
えきれないのがもどかしい。芝居は巧くない方が良い、バカになってやろう、でもそ
れがむつかしい。もっと自由自在に。〈エンゲキ〉を信じよう。
えきれないのがもどかしい。芝居は巧くない方が良い、バカになってやろう、でもそ
れがむつかしい。もっと自由自在に。〈エンゲキ〉を信じよう。
2021年08月05日
5日(熊取ゆうゆう大学演劇講座の延期された発表公演日が決まった。)
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いろいろな選択肢があったけれど、緊急事態宣言が解除された9月から講座は再開
するということで、11月7日(日)に決まりました。まだまだ先行き何が起こるかわ
かりませんが。公演会場は、国指定重要文化財中家住宅です。古民家のダイドコロと
いう板の間が舞台となります。能舞台よりもずっとずっと広いです。そして、これま
た広い土間が客席となります。
8月いっぱいは台本書きに専念できます。それについてはホッとしたところです
が、早いうちに書き始めないとね。タイトルだけ決めました。ツダ・シリーズの第11
作目として書くつもりです。『蟻通異聞』です。ちゃんと自分で納得のゆくものに
なったらツダ・シリーズから異色の『ありとほし』を削除して、コチラを10作目に繰
り上げたいと思います。一部内容が被るので。というか、『ありとほし』から8割捨
てて、装いも新たに書き直す大大大改訂版といいますか。まあ、どうなることやら。
いつもの書き方で20枚(400字詰め原稿用紙換算で50枚)、50分くらいの芝居になる
と思います。
いろいろな選択肢があったけれど、緊急事態宣言が解除された9月から講座は再開
するということで、11月7日(日)に決まりました。まだまだ先行き何が起こるかわ
かりませんが。公演会場は、国指定重要文化財中家住宅です。古民家のダイドコロと
いう板の間が舞台となります。能舞台よりもずっとずっと広いです。そして、これま
た広い土間が客席となります。
8月いっぱいは台本書きに専念できます。それについてはホッとしたところです
が、早いうちに書き始めないとね。タイトルだけ決めました。ツダ・シリーズの第11
作目として書くつもりです。『蟻通異聞』です。ちゃんと自分で納得のゆくものに
なったらツダ・シリーズから異色の『ありとほし』を削除して、コチラを10作目に繰
り上げたいと思います。一部内容が被るので。というか、『ありとほし』から8割捨
てて、装いも新たに書き直す大大大改訂版といいますか。まあ、どうなることやら。
いつもの書き方で20枚(400字詰め原稿用紙換算で50枚)、50分くらいの芝居になる
と思います。
4日(『深沙大王』稽古8回目。)
うわー、もう8回目かあ。スタジオ315にて。場当りを場当り的にやる稽古、の4回
目。真剣に考えるとゲロを吐きそうになるくらいキツイ。いや、真剣なんですが、遊
びをね、遊び、ヘタこいてもいいから、今まで培ってきた遊劇体の〈演劇世界〉を信
用して、ね、やるのですよ。
本日は、舞台監督さんと、音響さんが稽古場へ。ありがたいです。頼もしいです。
目。真剣に考えるとゲロを吐きそうになるくらいキツイ。いや、真剣なんですが、遊
びをね、遊び、ヘタこいてもいいから、今まで培ってきた遊劇体の〈演劇世界〉を信
用して、ね、やるのですよ。
本日は、舞台監督さんと、音響さんが稽古場へ。ありがたいです。頼もしいです。
2021年08月04日
3日(『深沙大王』稽古7回目。)
スタジオ315にて。場当りの稽古を場当り的にやっております、の3回目。ページ数
でいうと、ちょうど折り返したが、まだまだ、まだまだ油断がならない。稽古後はい
つも淋しくひとりぼっち。
でいうと、ちょうど折り返したが、まだまだ、まだまだ油断がならない。稽古後はい
つも淋しくひとりぼっち。
2021年08月02日
1日(劇団第一主義を観た。)
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『死なない薬』作・岩橋貞典、演出+補綴・澤渡健太郎、未来ワークスタジオに
て。
岩橋氏の戯曲は、え、それをドラマにするの? と私なんぞにはうかがい知れない
狂ったアイデア(もちろんほめコトバです)を、一見緻密な構造であるかのように装
いながら、ラストまで力業で引っ張ってゆく。よくわからないけれど、ポスト・モダ
ンという雰囲気もする。そしてたぶん、実際には緻密な構造の戯曲のような気もす
る。しかしそう思わせないのだ。どの登場人物にも感情移入できないので(たとえ
ば、被験者たちは、なぜここにきたのかが観終わってもさっぱりわからない)、観客
席で途方に暮れるのだが、観ているうちにオモシロいと感じはじめるのだ。作者の脳
内で醸成された、現実からは遠く隔離された悪意と皮肉のファンタジー・ゾーンに観
客も巻き込まれるということだろう。遊園地のアトラクションの中にいる感覚。遊気
舎時代の後藤ひろひと氏、クロムモリブデンの青木秀樹氏、そしてサカイヒロト氏と
似通った肌触りだ。私は、間違い勘違いもはなはだしいと叱られるのを承知でいう
と、そのうえ具体例も示せないんだけれども、80年代から登場し始めたニュー・ウェ
イヴのSFファンタジー系のマンガから生まれたテイストであるような気がするのだ。
ゆえにドラマに感情移入するのではなく、一定の距離を保ちつつのぞき込み、観察す
るようにその世界をながめるのが正解のような気がする。そう、そうするとこの戯曲
は俄然オモシロくなるのだ。
実際、とても楽しい舞台であるし、大勢の、〈若い〉観客を呼べる作品であると思
う。ことぶきつかささんや、古田里美さんら、もう私はファンであると公言して良い
ほどリスペクトできる俳優さんたちや、そしてなにより、ってまたこれでしめるのか
よおって自身でツッコミを入れたくなるけれど、演出の〈正しさ〉は、特筆もん(次
からはあえて書かないようにする)。
私のようなジジイがいう〈若い〉は、自分でも何歳ぐらいを指しているのかわから
ない。まあ、実年齢はカンケイなく、私より若い感覚の持ち主、ジャンプとかの週刊
マンガ誌を読んでいる世代というか、そんな感じかなあ。
『死なない薬』作・岩橋貞典、演出+補綴・澤渡健太郎、未来ワークスタジオに
て。
岩橋氏の戯曲は、え、それをドラマにするの? と私なんぞにはうかがい知れない
狂ったアイデア(もちろんほめコトバです)を、一見緻密な構造であるかのように装
いながら、ラストまで力業で引っ張ってゆく。よくわからないけれど、ポスト・モダ
ンという雰囲気もする。そしてたぶん、実際には緻密な構造の戯曲のような気もす
る。しかしそう思わせないのだ。どの登場人物にも感情移入できないので(たとえ
ば、被験者たちは、なぜここにきたのかが観終わってもさっぱりわからない)、観客
席で途方に暮れるのだが、観ているうちにオモシロいと感じはじめるのだ。作者の脳
内で醸成された、現実からは遠く隔離された悪意と皮肉のファンタジー・ゾーンに観
客も巻き込まれるということだろう。遊園地のアトラクションの中にいる感覚。遊気
舎時代の後藤ひろひと氏、クロムモリブデンの青木秀樹氏、そしてサカイヒロト氏と
似通った肌触りだ。私は、間違い勘違いもはなはだしいと叱られるのを承知でいう
と、そのうえ具体例も示せないんだけれども、80年代から登場し始めたニュー・ウェ
イヴのSFファンタジー系のマンガから生まれたテイストであるような気がするのだ。
ゆえにドラマに感情移入するのではなく、一定の距離を保ちつつのぞき込み、観察す
るようにその世界をながめるのが正解のような気がする。そう、そうするとこの戯曲
は俄然オモシロくなるのだ。
実際、とても楽しい舞台であるし、大勢の、〈若い〉観客を呼べる作品であると思
う。ことぶきつかささんや、古田里美さんら、もう私はファンであると公言して良い
ほどリスペクトできる俳優さんたちや、そしてなにより、ってまたこれでしめるのか
よおって自身でツッコミを入れたくなるけれど、演出の〈正しさ〉は、特筆もん(次
からはあえて書かないようにする)。
私のようなジジイがいう〈若い〉は、自分でも何歳ぐらいを指しているのかわから
ない。まあ、実年齢はカンケイなく、私より若い感覚の持ち主、ジャンプとかの週刊
マンガ誌を読んでいる世代というか、そんな感じかなあ。