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第2回大阪演劇見本市は関西演劇振興会議の主催。劇団や演劇関係団体による展示
即売ブース、そこでの演劇関係者や演劇ファンのコミュニケーションの場の提供、そ
してステージでの公演からなる。ABCホールにて。
私が観せていただいたのはAプログラム。『月夜のでんしんばしら』作・宮沢賢治、
演出+出演・楠年明。御年88歳の楠さんの独壇場。きれいな滑舌よく通る声、そして
その表現力。実は私、この、楠さんのひとり語りが観たくて行ったようなものであり
ました。
『戦争は女の顔をしていない』原作・スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、翻訳・
三浦みどり、演出・小原延之。コチラは戦争とジェンダーが折り重なった硬派な朗読
劇。幕切れの鮮やかさがカッコよかった。Aプログラムは(第1部)で、Bプログラム
ではそのつづきの(第2部)らしかった。
JR福島駅からひと駅移動して、大阪ステイションシティシネマへ。時間に余裕があっ
たので、ベンチに腰掛け、コンビニで買った缶ビールを。
『ブライアン・ウィルソン 約束の旅路』監督・ブレント・ウィルソン、2021年、ア
メリカ映画。精神疾患で今も苦しんでいるブライアン・ウィルソンのおしゃべりを、
いくつかの思い出の場所を目的地に、ドライヴの車の中で聴くという趣向。単にそれ
だけであっても、ブライアンの言葉は重い。ファンである私にはたまらない。生きる
ことの喜び、不安、悲しみ、試練、安堵など、普遍的なニンゲンそのものがあぶりだ
されてくる。ブライアン・ウィルソンの音楽そのものだ。目頭が熱くなった。よかっ
た。ビーチ・ボーイズ関係のレコードを、近いうちに引っ張り出して聴き倒してみた
い。泣けるだろうな。関連レコードも含めて30タイトルくらいレコード棚にあるん
じゃないかな。監督のブレント・ウィルソンは、絶対にブライアンの息子さんかなん
か親族だろうと思って調べてみたら、まったく血縁関係はないのだそう。