監督・アンドリュー・スレイター、2018年、アメリカ映画。ジェイコブ・ディランが
インタビュアー。60年代中期のローレル・キャニオンから誕生したバンドや関係者か
ら当時の話を聞き、そしてまた自身のバンドで名曲の数々を演奏する。ザ・バーズ、
バッファロー・スプリングフィールド、ママス・アンド・パパス、ビーチ・ボーイ
ズ、アソシエイション。名曲は現代風にアレンジしなくても、そのまんまで素晴らし
い。音楽の力を改めて教えてくれるドキュメンタリー映画だった。が、やはり、どう
みてもその内容は偏り過ぎていると思う。もっともっと、素晴らしいアーティストが
いたし、すごい音楽があった、ということをなおざりにしてはいけない。それでもこ
の映画を観て、やっぱり私にとっても、60年代中期から70年代中期までの10年間に生
まれた音楽が、ポピュラー音楽のうちでイチバンの宝石だと再確認させられた。80年
代以降の音楽が、がぜんつまらなく感じ始めるのだ。新開地のシネマ神戸にて。