2024年07月25日

同じく24日(『灯灯ふらふら』の稽古を休んだ。)

のどが痛い。胸が痛い。ひんぱんに咳き込む。微熱あり、平常より1℃は高い。鼻水
も流れ落ちる。

みんなに伝染させてはいけないし、咳が辛いので、今日の日輪草の稽古は、休ませて
もらった。

私は、何の病気なのだろう。

左手も相変わらず痺れていて、動かしづらい。なにもかわらず。

ポンコツ街道一直線。
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2024年07月24日

24日(『微風の盆』パンフレット用の作文。)

体調は、やはりはっきりいって、良くないです。異様な天候のもとにあるひとみな、
そうであると思います。

以下は、公演当日に配布させていただいたパンフレット用の作文です。挨拶文などは
省略しています。



私の戯曲は「リアリズム演劇のそれよりリアリズムに傾斜している」のだと、どこか
に書いていただいたことがありますが、この『微風の盆』は、実はそれとは全く異な
るものです。作風の変化というわけではなく、今作限りの特別な、異形のものです。



2006年に、『あの眩い光に砕けろ』というタイトルのものを書いて、今は亡き精華小
劇場で上演させていただいたのですが、それは私なりの、あるギリシア悲劇へのリス
ペクトを込めた翻案でした。ですから私はそれを自作戯曲にカウントしていません。



それをちゃんと自分で責任を負えるものにしたくて、いつか新作として蘇らせようと
考えていました。しかし、年月が経ち過ぎました。熟成、発酵しすぎて、古漬けも古
漬け。細部のストーリーなぞ溶けてなくなって、完全な別物となってしまいました。



仕掛けとして持ち込んだ、ツダに伝わる奥山口説き(盆踊りでの浄瑠璃語り)の内容
が今回の芝居の内容となります。1969年に、新作として書かれた浄瑠璃本が、1969年
の今(!)、ここで上演されている、というお芝居です。



しかし浄瑠璃本にいわく、その作者は終戦の前年に戦死したことになっていたり、そ
もそも主人公(生死が逆転していますがシテ)以外の4人(ワキでありながら前半部
ではシテに見える)は、永遠に空間に漂い、生きていた時の記憶を失うことなく、死
んでなおも世界を観察しつづけている霊魂(素粒子のようなもの、劇中ではエレメン
トと称する)であり、奥山音頭に誘われて登場したという、作者による怖いもの知ら
ずの構造。



主人公が〈そこにいること〉ゆえに、亡霊のごとく現れた仮装人(演技者)たちは、
実は空間に漂っていただけだという無茶苦茶な設定は、泉鏡花さんの諸作品からの奇
想、その破天荒さに大いに勇気を得て、鏡花さんには及びもしませんが、その意気に
倣いました。さらに夢幻能でいえばアイ(話の展開の説明とストーリーの盛り立て
役)という立場の奥山口説き名人を添えて。



語り部の語る演劇。俳優はつまり、この芝居では語り部であります。この芝居にはド
ラマを形成する会話らしい会話がありません。ドラマは俳優たちの足元か、ひょっと
したら彼らの向こう側に存在するのです。



それにしても、あの日見た、かなたに太陽の塔を背にした傷痍軍人さんの姿が、いつ
までたっても私の脳裏から消えることはないのです。



上演時間は1時間20分を予定しております。これは遊劇体本公演での、最短上演時間
新記録です。あっという間に終わりますが、情報量が多いので、上記のような作品解
説めいたことを記したわけであります。ネタバレお許しください。



※実際に私が暮らすムラの盆踊りの音頭は、伝承横山口説き、と呼ばれます。本作で
のツダという町名と同様、奥山口説き、も架空の名称です。
posted by yu-gekitai at 09:28| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月23日

23日(その後。)

winmail.dat
お酒を飲まなかったからだろうか、すっきりとした目覚め。疲れやだるさも後退し
た。

左腕の異常は、目覚めたときは快方に向かっているような気がしたが、生活モードに
入ってみると、昨日と同じに、しびれ、重い、動かせにくい、と同じ症状。

病院へ行く。左上肢末梢神経炎。リハビリに通わなくてはならなくなってしまった。
薬も2種類増えた。
posted by yu-gekitai at 14:15| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

17日から22日(『微風の盆』小屋入りからバラシまで。)

17日、小屋入り、照明つり込み、音響、舞台仕込み、「藤忠」。

18日、照明および音響チェック、舞台稽古、「藤忠」。

19日、ゲネプロ、初日1ステージ目、まずまず良い出来、評判も良し、「藤忠」。

20日、2ステージ目、とても良い出来、「へ」、ちょっとした事件起こる。

21日、3ステージ目、まずまず良い出来、4ステージ目もまずまずの出来、「へ」。

22日、5ステージ目で千穐楽、良い出来、バラシ。

私は、22日に目覚めたときから、左手がしびれ(数日前よりしびれがあったのです
が、堪えがたい状態になった)、左腕が重く、指先がうまく動かせない、という症状
になった。加えて身体がしんどく、なんらかの病状(コロナとか熱中症とか)が疑わ
れた。もともとポンコツの無能力者ので、バラシは極力参加しないが、終演後少し横
になってから、そのまま帰らしていただいた。

ウチには息もゼイゼイ状態で帰り着いて、そのまま、クーラーの効いた部屋で横にな
り、眠りについた。

ものすごく久しぶりの、ノンアルコール・デイとなった。
posted by yu-gekitai at 14:05| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月16日

15日(『微風の盆』稽古33回目。)

日本三大祭の余波で京都芸術センターで稽古はできない(もともと確保できていな
かったのだけれども)。で、最後の稽古は、河原町今出川のP-act にて。狭い空間な
ので、実寸での稽古は不可能。それなりにこなしました。

とてもオモシロい異色作になりました。お客さまに観ていただくのが楽しみでなりま
せん。だけど、『空のトリカゴ』や『灯灯ふらふら』を良しとしてくださる方には、
叱られるかもしれません。

誤解や予断を招くかもしれませんが、俳優のみなさんが、カワイイしカッコイイで
す。

明日はお休みで、明後日小屋入り。小屋入り前日がフリーとは、珍しい現象ですね。
posted by yu-gekitai at 13:20| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月14日

14日(Plant M を観た。)

winmail.dat






『WWW』作+演出 樋口ミユ、ウイングフィールドにて。最高に素晴らしいエンゲキ
だった。エンゲキのオモシロさ、その表現の奥行きを、しっかりと受けとめさせてい
ただいた。こういう芝居を観ると、また演劇が好きになっちまうよ(え、好きじゃな
かったんか?)。

初演では、私が演じていた役を、にっくき白木原一仁が。しろっきー、悔しいけれ
ど、良かったよ。俳優さんたちはみな、素晴らしかったと思う、身体性、ということ
ばが実感できる演技。重心、呼吸。そして、デストピアを描いた戯曲の普遍性と演出
の美しさ(あえていう、美しさ)。どちらにも参ったよ。

終演後、アフタートークのゲストとして、舞台に上がらせていただいた。この芝居は
世界に通用するエンゲキだといったら、ワタシはいつも世界を見ていると返していた
だいた。そりゃそうだ。ぎゃふん。



『微風の盆』の宣伝をさせていただきました。

樋口ミユさん、河村都はん、出演者スタッフのみなさん、ありがとうございました。
ファイトが湧いた。



posted by yu-gekitai at 16:53| 京都 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

13日(『微風の盆』稽古32回目。)

稽古場において、ではあるが、良いできばえであると感じた。ラスト、鳥肌が立っ
て、しばらく消えなかった。チープな、遊びすぎな台本ではあるが、それもコンセン
トでありねらいだから、それでいいのだ。コンセプトのマチガイやろ。それでいいの
だ。俳優はみな、素晴らしい。
posted by yu-gekitai at 16:32| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

12日(『微風の盆』稽古31回目。)

昨日の稽古ではやれなかったシーン5、そして通し稽古。だけど、昨日も今日も、
〈ちゃんとした稽古〉ではないので、明日、明日にこの芝居の、稽古場においての極
めて完成形に近いものが、見られるなず。
posted by yu-gekitai at 16:25| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

11日(『微風の盆』稽古30回目。)

昨日の稽古をはさんで一気にグンとグレード・アップしたように感じた。小返しをし
ながらシーン4まで。
posted by yu-gekitai at 16:19| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月11日

10日(『微風の盆』稽古29回目、そして『灯灯ふらふら』稽古、それから Plant Mさんにアフタートークで出演させていただくこと。)

本日の稽古は私は休み。課題は明確なので、今日は私は稽古場にいない方が良い。

で、私は、熊取町の教育子どもセンターで『灯灯ふらふら』の稽古。



くまとり劇倶楽部「日輪草」旗揚げ公演

『灯灯ふらふら』

作+演出 キタモトマサヤ

9月29日(日)14時開演

国指定重要文化財 中家住宅にて







ウイング再演博覧會 Plant M No.22

『WWW』

作+演出 樋口ミユ

7月14日(日) 11時開演

ウイングフィールドにて

上演後のアフタートークに出演させていただきます。

実は私、『WWW』初演時の出演者でした。大阪、東京、神戸と、ステージ数も多
かったし、深く印象に残る作品でした。再演を拝見させていただくのはとっても楽し
みです。
posted by yu-gekitai at 09:18| 京都 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月10日

9日(『微風の盆』稽古28回目。)

本日から、稽古場の部屋が変わり、せまくなった。

衣装を着けての通し稽古。とってもオモシロかった、というのは作者としての感想
で、もっともっと完成度をあげる余地を残している。

タイムは1時間15分だった。ちょうどよい、が、濃い1時間15分でもある。
posted by yu-gekitai at 10:04| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

8日(『微風の盆』稽古27回目。)

稽古用の便宜上の区切りである、シーン1から4を、シーンごとに通す。セリフの精度
の不十分さをのぞけば、後は稽古を重ねることによって、なんとかなるだろう。

あまりやり切れていないシーン5だが、これもまた、カッコいいものになるはず。も
う一息。

そう、今回は、カッコいい、を目指している。ええカッコをする、という意味ではな
く、舞台上での俳優たちの存在のこと。
posted by yu-gekitai at 01:05| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

7日(明倫ワークショップ。)

「『微風の盆』戯曲のヒミツ〜泉鏡花戯曲と比較する〜」

たぶんですが、情報が告知されたのは7月3日。ワークショップ開始時間まで、4日間しかなかったのだ。きっと申込者ゼロ、を予想した。

ところが、3名の方から予約が入っていたのだ!

ありがたや、なんということ、うれしい、すばらしい。しかも、参加者の3名の方が、いずれもまた、ステキな方ばかり。うわ−、いい人、ありがとう、という気持ちでした。京都芸術センターの担当の方も、ボランティア参加の記録係の方も、なんか知らんが、今日集まってくれた人みんなステキ。ありがとうございました。わがまま勝手に、楽しく、楽しく、好き放題やらせていただきました。村尾さん、クボちゃん、中田くん、突然のアレやれ、コレやれ、すみませんでした。

『微風の盆』のヒミツ、すべて暴露しちゃいました。
posted by yu-gekitai at 00:48| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

6日(『微風の盆』稽古26回目。)

自分なりにオモシロい芝居であるという確信が持てる。俳優のみなさんの演技も素晴
らしく楽しいものになっている。パンダさんとかクボちゃんカッコイイ。だけれど、
全体の流れとしては、台本の台詞のせいだろうか、キレイに台詞が並ばないのであ
る。
posted by yu-gekitai at 00:32| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月06日

5日(『微風の盆』稽古25回目、そして明倫ワークショップのこと。)

winmail.dat
本日も稽古を休ませていただいた。今日は私、稽古場に行きたかったのだけれども、というのは一昨日の稽古のその先をとても見たかったので。だけど、なんでか多忙す
ぎてどうにもならん。地元にて、ケンカ中。

ところで、明後日の7日(日)は18時30分より、20時30分まで、「『微風の盆』戯曲のヒミツ〜泉鏡花戯曲と比較する〜」というのを、京都芸術センターの制
作室7で行わせていただきます。タイトルは私が名づけたわけではありません。こんなことやったらどうかな、ということをパンダさんにいったから、パンダさんがつけ
てくれたのでありましょう。

受講料は無料です。京都芸術センターに申し込んでください。

しっかし、この情報が公開されたのはたぶん一昨日ですよ。情報公開から4日目が本番ですよ。だれも知らないうちに、だれも参加者がいないまま、だれにも知られ
ず終了するのではないかなと、思っております。

ということも踏まえて、以下の内容でやらせていただくということを、公開しておきますわ。





0,まずは、お芝居の冒頭部分を観ていただきます。



1.『微風の盆』という芝居について、作者が知られたくないこと、をレクチャーします。

  ・口説き、という枠組みでの構成になっていること。

    盆踊り、浄瑠璃本・講談本、仮装大会

  ・夢幻能の構造を持つこと。

    死者の登場、告白、シテ・ワキ・アイ(話の展開の説明とストーリーの盛り立て役)、

  ・死者である登場人物が、死んでから以後のことにも触れること。

  ・1969年のアングラ演劇を意識していること。

ギャグ、パロディ、アヴァンギャルドなどの際立つ風潮

  ・演技スタイルの変更、

  ・私の戯曲の特徴とされる「リアリズム演劇のそれよりもリアリズムに徹した作風」を完全に捨て去り、ツクリモノに徹したこと、



2.泉鏡花さんの戯曲に見られる奇想。

  ・大正2年(1913年)12月発表の2作品『海神別荘』『恋女房』の大胆は発想。

    『海神別荘』に登場する、遠隔カメラ(実況中継)、なんでも調べれば文字が浮かびだす辞書(ネット検索)、

    『恋女房』に登場する、「器械でこしらえた船」という、治療器具。



3.『恋女房』のラスト・シーンをテキストとして、リーディングをしてみましょう。



4.生と死の混在は夢幻能の特徴そのものですが、鏡花さんの奇想よろしく、

  ・「宇宙では、死者の魂とでもいうべきものは、生前の記憶を残したまま分子原子素粒子レベルで、新たなナニカを生み出すためのエレメントとして漂ってい
る。それを霊魂と名付け、盆踊りのある種の祭礼が、霊魂を呼び寄せた。さて、登場人物のうちで、自覚していない一人マリアとなのる若き女性は、ナニモノに取り憑か
れたのか、いや結果的に、そう見えただけなのか、なにが5人を呼び寄せたのか、そんなモノガタリ」です。

取り憑かれる、が、この芝居における、盆踊り大会の仮装であるわけです。

・登場人物は、宇宙空間に漂っているエレメントでありますから、天空から地上を見下ろせる、という趣向を取り入れました。

・チラシなどでもいっさい語っておりませんが、『微風の盆』は、以下のようなサブ・タイトルを持っています。

「現代版(1969年版)聖母マリアさまにまつろう霊魂のモノガタリ」



posted by yu-gekitai at 13:23| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月04日

3日(『微風の盆』稽古24回目。)

『微風の盆』は、いつも通り1幕もので、上演時間は1時間15分の予定。切れ目らしい
切れ目はないが、台本では稽古場用に、便宜的に5つのパートに分割している。本日
は、パート1から3までで、稽古時間終了。大きな変更が4か所あり(パート5も含
む)、ますます深化している。稽古時間があっという間に過ぎ去る、とっても良い稽
古でありました。
posted by yu-gekitai at 12:22| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月03日

2日(『微風の盆』稽古23回目。)

本日も私は、稽古お休み。〈ちゃんとしていない稽古〉になるので、鬱陶しい演出者
はいない方が良いのだ。〈ちゃんとしていない稽古〉でも〈ちゃんとなる〉。



それにつけても、イソガシイ。成り行きでプロデューサーのような役割を4公演も抱
えてしまっているのだ。こんなにしんどいとは。そのうちのひとつ、昨夜、会議を
持ったのだが、頑迷な主催者側(?)と、細部を詰め切れず、物別れのようなカタチ
で、結果、公演自体を、ご破算、にしてもらった。私の選択肢としては、それしかな
かった。22時前に帰宅して、そのままひとりで苦汁とともに午前3時くらいまで、う
まくない酒。それを本日もまだ引きずっている。当分は癒えないだろう、たぶん今年
中は。
posted by yu-gekitai at 07:42| 京都 | Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする