2024年07月06日

5日(『微風の盆』稽古25回目、そして明倫ワークショップのこと。)

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本日も稽古を休ませていただいた。今日は私、稽古場に行きたかったのだけれども、というのは一昨日の稽古のその先をとても見たかったので。だけど、なんでか多忙す
ぎてどうにもならん。地元にて、ケンカ中。

ところで、明後日の7日(日)は18時30分より、20時30分まで、「『微風の盆』戯曲のヒミツ〜泉鏡花戯曲と比較する〜」というのを、京都芸術センターの制
作室7で行わせていただきます。タイトルは私が名づけたわけではありません。こんなことやったらどうかな、ということをパンダさんにいったから、パンダさんがつけ
てくれたのでありましょう。

受講料は無料です。京都芸術センターに申し込んでください。

しっかし、この情報が公開されたのはたぶん一昨日ですよ。情報公開から4日目が本番ですよ。だれも知らないうちに、だれも参加者がいないまま、だれにも知られ
ず終了するのではないかなと、思っております。

ということも踏まえて、以下の内容でやらせていただくということを、公開しておきますわ。





0,まずは、お芝居の冒頭部分を観ていただきます。



1.『微風の盆』という芝居について、作者が知られたくないこと、をレクチャーします。

  ・口説き、という枠組みでの構成になっていること。

    盆踊り、浄瑠璃本・講談本、仮装大会

  ・夢幻能の構造を持つこと。

    死者の登場、告白、シテ・ワキ・アイ(話の展開の説明とストーリーの盛り立て役)、

  ・死者である登場人物が、死んでから以後のことにも触れること。

  ・1969年のアングラ演劇を意識していること。

ギャグ、パロディ、アヴァンギャルドなどの際立つ風潮

  ・演技スタイルの変更、

  ・私の戯曲の特徴とされる「リアリズム演劇のそれよりもリアリズムに徹した作風」を完全に捨て去り、ツクリモノに徹したこと、



2.泉鏡花さんの戯曲に見られる奇想。

  ・大正2年(1913年)12月発表の2作品『海神別荘』『恋女房』の大胆は発想。

    『海神別荘』に登場する、遠隔カメラ(実況中継)、なんでも調べれば文字が浮かびだす辞書(ネット検索)、

    『恋女房』に登場する、「器械でこしらえた船」という、治療器具。



3.『恋女房』のラスト・シーンをテキストとして、リーディングをしてみましょう。



4.生と死の混在は夢幻能の特徴そのものですが、鏡花さんの奇想よろしく、

  ・「宇宙では、死者の魂とでもいうべきものは、生前の記憶を残したまま分子原子素粒子レベルで、新たなナニカを生み出すためのエレメントとして漂ってい
る。それを霊魂と名付け、盆踊りのある種の祭礼が、霊魂を呼び寄せた。さて、登場人物のうちで、自覚していない一人マリアとなのる若き女性は、ナニモノに取り憑か
れたのか、いや結果的に、そう見えただけなのか、なにが5人を呼び寄せたのか、そんなモノガタリ」です。

取り憑かれる、が、この芝居における、盆踊り大会の仮装であるわけです。

・登場人物は、宇宙空間に漂っているエレメントでありますから、天空から地上を見下ろせる、という趣向を取り入れました。

・チラシなどでもいっさい語っておりませんが、『微風の盆』は、以下のようなサブ・タイトルを持っています。

「現代版(1969年版)聖母マリアさまにまつろう霊魂のモノガタリ」



posted by yu-gekitai at 13:23| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする