2019年11月13日

11日(夢の中でキクタニと再会して、そして「空のトリカゴ」稽古23回目。)

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 11月11日、早朝。「空のトリカゴ」初日のちょうど1週間前。

 年齢のせいだろうか、早くから目が覚めてしまう私は、身体のアチコチが痛むので
なかなか起き上がれないのと、部屋の冷気に布団から出られず、二度寝をしていた。

 すると左前方から、「・・・キタモト」と呼びかける声がする。私が横になってい
るのは、生まれてから十代の終わりころまで暮らした今はすでに無い家である。

 こんな朝早くに、しかも雨戸の向こう側から、だれだろう、と思うが、その声はT
氏だと思われた。キタモトと呼ぶその声、アクセントが、現在のT氏のそれと酷似し
ているからだ。

 T氏は私より3つ年上の、やさしい性格の、心配りの良くできる人で、きっと私に、
捕らえたばかりのクワガタを持ってきてくれたのだろうと考えた(寒いと感じている
のに)。

 眠りにつくとき、演奏し終えたLPレコードを回収するためにレコード・プレイヤー
へ向かうのと同じ態勢で布団から出て、声の聞こえた方に歩む。

 暗い屋中から雨戸を一枚開放すると、そこにいたのは菊谷だった。

 私は一瞬、彼はもうこの世にいないはずだとギクッとしたが、現に私の目の前にい
るので、

 「おう、どないしたんや」と、鷹揚に応えた。

 菊谷の服装は、『紅玉』の老紳士役の衣裳だった。

 外は薄明るく金色で空気は柔らかい。

 菊谷は、

 「いや、ちょっと・・・」と口ごもるだけで要領を得ない。

言いわけのように、

「俺もう〇〇〇〇〇から」と言う。

よくは聴き取れなかったのだけれど「俺もう死んでいるから」と言ったのだと了解で
きた。

その瞬間、わっとばかりに涙があふれ、

 「会いにきてくれたんか」と、口をついて出る。菊谷はうなづいたように思う。

 そうして消えるように立ち去ろうとする。その先は土塀であって出口は無い。

 私は追いすがるようにして訪ねてきてくれたことの喜びを伝えた。

 菊谷はなにも答えないし、この一連での菊谷の表情も定かではない。

 いつしか田舎の山道を歩いている。菊谷の訪問の理由を考え、

 「何か俺から受け取りたいものでもあるんか」と、問うた。何でもあげよう、持っ
て行ってもらおうという気持ちになっている。菊谷は、

 「・・・ふたつ」と小さく答えた。

 そのふたつは何なのかを訊いても返事をしてくれない。

 「じゃあ、もう・・・」

時間がきたとばかりに、すげなく私から離れようとする。

 「なんか欲しいもんがあるんやろ」と言った私の声の前にはその姿はすでに無かっ
た。



 私は泣きながら二度寝から目が覚めた。





 そしてすぐに以上の夢の内容をメモしたというわけでゴザイマス。

 まだまだ書き始めていない次回公演予定の『われわれは遠くから来た、そしてまた
遠くへ行くのだ』に、引用するかもしれないな。しないかもしれないけど。



 そして稽古は、シーン9、つまりラスト・シーンの、なんとまあ初稽古。松本信一
劇場全開でおました。

 
posted by yu-gekitai at 09:04| 京都 ☀| Comment(1) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
菊谷さん登場ですか・・・懐かしい。涙が出そうです。
Posted by ひさかっちゃんです。 at 2019年11月14日 13:07
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