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芝居の夢をまたみるようになった。しばらくはみなかった。それは現実に台本を書
くという〈行為〉に手を染めていたからだろう(まだ書き始めてはいなかったけれ
ど)。
ところが、書く気力が萎えたとたんに、夢で芝居に翻弄され始める。
今朝みた夢は、まことにヘヴィー極まる演劇の夢であった。まずは野外劇である。し
かも、あり得ないくらい巨大な野外劇場で、そのまんま大きな神社の境内の中みたい
である。時代劇である。中世のどす黒いような土俗的な世界が舞台である。そしてス
ペクタクルな仕掛けも多い。遊劇体のメインキャスト以外に、テレヴィでよく見る俳
優さんや顔も名前も知らない若手が大挙して出演している。
私はその野外劇場で孤独に夜を明かしたのだ。そこでは外部からの出演者・関係者た
ちがもうウキウキのりのりで大騒ぎをしている。芝居としては世間では大好評らし
い。しかし私は、気に入らなくて非常に気分が落ち込んでいる。どうしたら納得でき
るものにできるだろうかと延々と悩んでいるのだ。すると主役の一人を務めている遊
劇体の俳優が小道具の修理をしているのを見るのである。修理というよりも本番を何
日もやっているにもかかわらず、まだ色塗りができていない持ち道具であった。今日
の開演前までに済ませたいのだという。よく見れば舞台にはいろいろな不備がある。
まずは思い悩むことよりも、それをひとつひとつでも地道に丁寧にやってゆこうと思
うのである。
このように文字にしてしまえば自ずと何を思っているのかが知れてしまい、恥ずかし
い気持ちにもなる。私はそれを重く受け止めたのである。といっても自分がみた夢
だ。そう思ってるんだっちゅうことやな。
2020年03月28日
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