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古いマンガ雑誌を読んでいるわけですが、ほとんどツマランものが多いわけです。
たとえば今日読んだ「りぼんコミック」という雑誌。念のためいえば「りぼんコミッ
ク」がどうのこうのじゃなく、どんな雑誌でもほぼ同じことです。たまたま「りぼん
コミック」だったというだけです。
各作者の絵についてはまずはさておき、そのストーリーの内容は信じられないくら
い幼稚で、画一的で、ご都合主義の、読者に媚びまくった残念な、ガッカリさせられ
るだけの作品ばかりです。
そんななかにポンと、矢代まさこさんの作品があるわけです。なんといったらよいの
か、誤解をさせるかもしれませんけれど、驚異の表現レヴェルです。今日読んだ『イ
ルカのくる島』にいたっては状況設定の独自性(突飛さ)に加えて、台詞なしで十数
コマが連続したりします。1ページ以上まるまる登場人物が無言だったりするわけで
す。ですがそこには、大きな感情のうごきが表現されている。ドラマがそこにあるわ
けです。この時代に編集者がよくぞこれを許したなあと不思議に思うくらいです。異
色マンガと銘打たれてはいますがね。説得力があったわけでしょう。
いうまでもなく絵の上手さ、その魅力は他の作者を圧倒的に凌駕しています。その動
き、表情の豊かさ。生き生きとした血の通う登場人物。きょうもまた矢代まさこさん
に感嘆させられました。「りぼんコミック」1969年9月号。
2020年04月05日
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