2023年01月18日

同じく16日(私ももうすぐ死ぬんだなあと思った。)

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幼なじみで、しかも一近所(一番の近所で、お向かいやお隣の家の事)の女性が亡く
なった。私より10歳くらい年下で、私は彼女を生まれた時から知っているといっても
過言ではない。結婚して堺市のひととなったけど、私が熊取町で演劇講座をさせてい
ただくようになって、その第1回目から参加してくれて、実務的なことに関して大き
な戦力としてお世話になった。

ここでばらしてしまうというと大げさなことかもしれないけれど、私の戯曲の登場人
物にはモデルがいる。といってもその人をそのまま登場させるというわけではなく、
こんな感じの人、としてのモデルだ。例えば次回公演でいえば、ムラオさんの役は一
種の私の分身であるし、パンダさんの役は小中学生時の同級生だし、さかもっちゃん
の役は劇団員にもおなじみの私の先輩だし、中田くんの役は地元で専業農家をやって
いる後輩だし、と書いてきて、クボちゃんの役は、まさにその女性であったのだ。
もっとばらしちゃうけど、次回公演の登場人物では、唯一生きている存在として登場
するのに。

昨日、なにかに引き合わせられたように、彼女の弟くんと意外な場所で出会った。弟
くんは私を呼び止め、私たちは向かい合った。挨拶も済まさぬうちに彼の表情が歪
み、何事かと戸惑う私を見つめる大きな目に、涙が滲んだと見えた瞬時、「〇〇が死
んだ」と小さくだが叫ぶようにいった。弟くんは姉の嫁ぎ先である堺市の病院で、看
取っての帰りだったのだ。半年前には姉弟のお母さんも亡くなっている。

私はやり切れない思いのまま前進座のお芝居を観たのだ。芝居がとっても良かったの
もあって、帰宅せずに京都の事務所でひとりで一杯やり始めてしまった。ちなみに千
秋楽は朝の部のみで、終演は14時50分くらいの時間だった。先斗町歌舞練場に傍には
すでに舞台屋さんの大型トラックが3台、停車していたっけ。

呑み始めたのがいけなかった。つらい気持ちでいっぱいになってしまった。まあ、だ
から呑まずにはいられなかったのだけれども。グラスを運ぶピッチも早まる。自分も
近いうちに死ぬんだと思い込み始める。今年67歳だ。あと10年も芝居をやれないだろ
う。遊劇体ででも、あと新作が10作品残せるかでしかないだろう。次回作の劇中で
は、亡くなった彼女の役はほぼ彼女そのものだ。泥酔状態で彼女の役を演じてくれる
クボちゃんに電話をしてしまった。なんだかえらい心配をして事務所に駆けつけてく
れた。ごめんなさい。もう手の付けられないヨッパライだったでしょう。記憶もあん
まりないですよ。醜態をさらしました。気分を悪くさせたかもしれない。あらためて
クボちゃん、ごめんなさい、それから、ありがとう。私はこのように実はとっても幸
せ者です。一作品一作品を良いものにしなければ悔いを残す。遊劇体のみんながいる
からきっと大丈夫なのはマチガイないけれど、いずれ死ぬ。その厳然たる事実を突き
つけられたのだ、と思った。
posted by yu-gekitai at 11:40| 京都 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3月25日に観に行きます。楽しみにしています。
1月31日チケット予約する予定です。
Posted by ひさかっちゃんです。 at 2023年01月24日 09:59
ありがとうございます。お会いできることがとっても楽しみであります。
Posted by キタモト at 2023年01月24日 15:49
本日、チケット購入完了。
Posted by ひさかっちゃんです。 at 2023年01月30日 16:20
本日、チケット購入完了。私も皆さんに会えるのも楽しみです。
Posted by ひさかっちゃんです。 at 2023年01月30日 16:21
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