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私は多作ではないし、才能もないし、そもそも自分自身で、劇作家であるということ
を、ことあるごとに否定している。まだ劇作家になっていないのだ。成れていないの
だ。劇作家と名乗れるようにまあ、一応、それなりに戯曲は発表できているわけだけ
ど、まだまだ実力不足だ、名乗れない。
ありがたいことに近年は、コンスタントに新作を発表しつづけられている、とはいえ
1年に1曲のペース。それ以前には、8年間なんにも書いていないという空白の期間も
あった(だけどその間、高校生のための上演台本を何作かとラジオ・ドラマを2本書
いたと思う)。
そんな私でも、未発表のままの、まだ戯曲になり切れていない可哀そうな戯曲たちが
いる。再三このブログに書いたと思うけど、すでに下書きまである「金色夜叉ヶ
池」、箱書きまで済ませてある「てんごくじごく」、いずれも登場人物が多いので、
遊劇体での上演は無理だ。それが上演台本化できない原因だろう。
さらに既発表戯曲の「ありとほし」を、タイトルをそのままに完全新作の2人芝居に
したいし、「エディアカラの楽園」と「花も咲かないで」を、登場人物を増やして、
プロセミアムの舞台でも上演できるように大改訂したい。
そうしてもう1曲、脳内では完成している、仮題「傷だらけの平太」、というのがあ
る。早く箱書きにでもしておかないと、そのうちに忘れてしまう。その不安で今、こ
のブログを記しているのである。さっさと箱書きを書けばいいじゃん、というツッコ
ミもあるでしょうが、そうはなかなか問屋が卸さない(ヘンな表現)。毎日いろいろ
とタイヘンなんです。集中力もないのです。そこんところもまた、私は劇作家ではな
い、という逃げ道として機能しているようです。
仮題「傷だらけの平太」は、武士も殿様も出てこない時代劇。今までの自分の劇作の
範疇から大きく飛び出すことのできそうな、長谷川伸さんをちょっとだけ意識した内
容(鏡花さんの戯曲全作品を上演してしまったら、その次はこの作家さんの戯曲に取
り組む予定であるらしい。ついでに記すと「てんごくじごく」も、時代は昭和である
けれども、コッチ側の内容)。あるいは笹沢佐保さんの股旅小説のような。殺陣やア
クションは、ほぼ無い。会話劇。登場人物は15人くらいで、演出プランとしては上演
は大丈夫なんだけど、これまた登場人物が多い、という理由で、遊劇体では上演でき
ない。
来年度の遊劇体の公演では、私は新作戯曲を書く必要はなくなった。上に記した未発
表および改訂作のうち、どれかひとつでもものにしたい、と考えている。
2023年08月28日
この記事へのコメント
「プロセミアム」ではなくて「プロセニアム」ですよ。またまた0点。
Posted by 演劇教師 at 2023年08月28日 08:31
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