2024年01月28日

21日(『全身小説家』を観た。)

1994年、疾走プロダクション、監督+撮影 原一男。キネマ旬報1994年度ベストワン
日本映画作品賞第1位。原監督の前作があの『ゆきゆきて、神軍』なわけであります
から、ある予感めいたものを感じながら2時間37分を観るわけです。その予感は徐々
にそこここに姿を現し始め、大きな疲労感とともに観終えることとなるわけです。オ
モシロい映画だった。だけど、もう一度観たい、とはならない、私の場合は。

主人公の不気味さばかりが漂い続ける映画なのだ。自分の経歴をフィクションで粉飾
して、自作の小説や詩の根幹の部分をそのフィクションに委ねている。業のきつい人
だなあと思うけど、そう思わされるのもまた〈嘘つきミッチャン〉によるフィクショ
ンに踊らされていることになるのかもしれない。私は小説家井上光晴は、好きになれ
ない、というより、怖ろしい。
posted by yu-gekitai at 13:01| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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