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ルンチェルンバシアター『星の王子さま』原作 サン=テグジュペリ、訳 内藤濯、脚
色+総合演出 東口次登、高槻城公園芸術文化劇場(サンユレックホール)にて。花
の役で出演した、うめだよういちさんは、自閉症で脳出血の後遺症を抱えている。彼
が舞台に立つことによって、この『星の王子さま』は、突出した舞台になったと思
う。俳優と人形劇のコラボレーションであるが、違和感をも感じさせないのは、そこ
に車椅子で登場するうめだ氏の、吸引力とでもいうべきものに魅了されてしまってい
るがゆえだろう。一度登場すれば、舞台の上にいてもいないなくてもである、残像が
そこにあるのだ。大竹修造さんの芸がたっぷり楽しめたのもうれしかったな。
二ノ宮演劇農園うらにわ『受付』作 別役実、演出 キシマシゲオ、イカロスの森に
て。いかにもアングラという空気感たっぷりの小劇場空間で、懐かしいという感覚に
包まれる。二人芝居だが、全く存じ上げない俳優の方がただ。神戸の小劇場演劇界隈
とは、まるで地続きではないような距離感を感じていたが、素晴らしい俳優さんたち
がいたのだ(考えれば当然だ)。有馬里佳さんの、人間力とでもいうべき懐の深い演
技と、自然と漂う俳優としての色香のようなものに、正直、魅了された。演出は手堅
く、本作もまた、別役作品の成功例のひとつ。観劇後、キシマ氏と話す機会があった
ので、唯一の疑問点をぶつけたら、それは戯曲において指示されているとのこと。す
みません、戯曲読んでなかったんです。
2024年05月27日
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