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製作・グロリア・カッツ、監督・ウィラード・ハイク、脚本・ウィラード・ハイク+
グロリア・カッツ、73年、アメリカ映画。
この映画は、ゾンビ映画の先駆的作品として紹介されている。日本では今年になって
初めて映画館上映された。タイトルはゾンビ映画のごとくだが、原題は「Messiah Of
Evil」。つまりこれは、観て初めて理解したことだけれど、クトゥルフ神話体系の作
品だった。そこのところをはっきりさせないと、この映画の怖さオモシロさはわから
ないと思う。ただの意味不明のゾンビ映画となり果ててしまうのだ。
以下はウィキペディアよりの引用でおます。
20世紀にアメリカで創作された架空の神話であり、「アメリカ神話」とも呼ばれる。
作中では逆に、人類史の神話は太古からのクトゥルフ神話の派生であるということに
なっている。
太古の地球を支配していたが、現在は地上から姿を消している強大な力を持つ恐るべ
き異形の者どもが現代に蘇ることを共通のテーマとする。
私は、クトゥルフ神話の熱心な読者ではないが、軽く見積もって20冊くらいは書棚な
どに積読をしている。だからすぐにピンときました。この映画の売り方としては、全
くクトゥルフ神話に触れていないのは失敗ではないでしょうか。日本でも、クトゥル
フには一定数の熱狂的信者が存在するはず。きっと、ゾンビで売る方が観客を呼べる
と考えたのでしょうね。
クトゥルフ神話の典型的ともいえる内容で、そこに気づけばストーリーの先が読める
ほどわかりやすい。しかし、私は楽しめたが、他人には勧めない。暗く不気味なトー
ンの映像がつらなる。しかし、独特な美意識に貫かれている。アーティスティックで
ある。が、観ていて不安をあおられ、やりきれない気持ちになる。それにはフィラ
ン・ビショップという謎の音楽家の曲が大きく作用しているようにも感じる。タイト
ルバックのクレジットではエレクトロニック・ミュージックと表記されていたと記憶
するが、いわゆる電子音楽である。一般に知られているようなシンセサイザー音楽で
はなく、古典的な電子音楽である。
監督+脚本のハイク&カッツ夫妻は、ジョージ・ルーカスに認められて、この後「イ
ンディ・ジョーンズ」や「ハワード・ザ・ダック」などの脚本や監督に抜擢されるの
だから、この「メサイア・オブ・デッド(正確にはイーヴィル)」は、低予算の自主
制作映画とはいえ、なかなかの映画であったということを証明している。
特典のナイスな絵ハガキをもらっちゃった。
博多めぐみちゃんも昨日観てきたそうで、観てよかったと、Xに感想を書いてました
よ。
2024年09月15日
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