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サブ・タイトルに「イエスの方舟45年目の真実」とある。監督・佐井大紀、2024年、
TBSテレビ。製作はTBSテレビだけど、劇場用ドキュメンタリー映画である。
イエスの方舟という団体には、カルト教団として世間からバッシングを受けていたの
で、少しは興味を持っていました。おっちゃん、と信者から親しみを込めて呼ばれ、
メディアからは、千石イエスと称された方そのひとにも興味がありました。当時、信
者とされる方がたは若い女性ばかりで、みんな現代的でスマートな美人ぞろい。ハー
レムを形成しているといわれました。千石イエスこと千石剛賢氏が2001年に亡くなっ
て以降も、団体はしっかりと継承されていることは、なんだかうれしかった。
だけど、映画としてはとても残念。TBSに残された当時の映像のつぎはぎと、現在も
残る、あるいは新しく参加した、イエスの方舟の方がたへのカンタンなインタビュー
と、鳥越俊太郎氏の証言でつないでみせるだけで、対象への愛情も、映画を深化させ
ようという執念も感じられなかった。製作者側の視点が明瞭でないとでもいえばよい
のだろうか。もっと取材対象の方がいなかったのだろうか。鳥越氏に頼りすぎてい
る。当時あれだけ騒いだジャーナリズムへの批評が立ち上がらないのは無残である。
テレヴィ局の製作ならば、ジャーナリズムを担うものとして、逆にもっと、踏み込ま
なくてはいけない部分があったのではないかと思う。映画をバカにしないでくれ。
2024年10月04日
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