2024年10月15日

13日(劇団ジャブジャブサーキットを観た。)

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『正劇オセロと貞奴』構成+演出・はせひろいち、〈劇中劇『正劇オセロ』原作・
シェイクスピア、翻案・江見水陰、潤色・はせひろいち〉、ウイングフィールドに
て。

案内状をいただいて、これはオモシロそうな公演だと察知して、なんとしても観た
い、と思いました。森田雅子先生の労作「貞奴物語 禁じられた演劇」(ナカニシヤ
出版)で予習をしてから、劇場へ。

簡単すぎる評伝的な流れと、劇中劇的な「正劇オセロ」の短縮版とを併せて65分くら
いの上演で、これは意外。2時間前後の上演時間になるのではないかと勝手に思い込
んでいました。評伝的な部分である、冒頭の、川上音二郎と貞との無謀な船旅が基調
を成しているようで、「オセロ」でも、雨音などの効果音が頻繁に鳴りつづけるのは
演出の戦略だと感じました。私にはその意図はわからないけれども、それが好ましく
思えた。また、ほとんどを、椅子に腰かけての演技であったのも、ウイングフィール
ドという空間での無駄な動きを封じる、というこれまた演出的戦略、と穿ち過ぎであ
ることを承知のうえで、いいきってしまいたい。理由はといえば、些細なことかもし
れないけれど、本作を擁護したくなるような、私にとって好ましい公演だった、とい
うことに尽きる。ただし不満も多々ある。ひとつだけ記せば、オセロと、デスデモー
ナをはじめとするヴェニス在の登場人物とのあいだにあるはずの、人種と宗教の問題
にまったく触れていないことだ(単にコトバではなく演技として)。でなきゃイアー
ゴーの立場がないではないか。『オセロ』という戯曲の肝はそこにあるはず、と私は
思うのだが。

森田雅子先生の本には『正劇オセロ』の当時のポスターやデスデモーナの寝室の場面
の舞台写真が掲載されていてありがたい。

余談ですが、ジョンズ・チルドレンという英国のバンドに「デスデモーナ」という、
ヒットとは縁のなかったシングル曲がある。ティラノザウルス・レックス(後のT・
レックス)結成以前のマーク・ボランがギタリストで、作詞作曲も彼だ。リード・
ヴォーカリストが居るので、マーク・ボランはバッキング・ヴォーカルにまわってい
て、独特のヴィブラートをきかせた声を響かせている。私の耳にはデスデモーナでは
なく、デッセモーナと聞こえる(耳が悪いんとちゃあいますか)。
posted by yu-gekitai at 10:44| 京都 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「デス」は標準語で、「デッセ」は関西弁どす。マーク・ボランは関西人か、ちゅうハナシどす。
Posted by キタモト at 2024年10月19日 06:15
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