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『アルトゥロ・ウイの興隆』作・ベルトルト・ブレヒト、訳・市川明、演出・鈴木健
之亮、メイシアターにて。
大阪劇団協議会プロデュースとなっているが、実質的には、劇団往来さんの公演と
いってよいだろう。ブレヒトのこの戯曲については、全然知らなかったけれど、こう
いうカタチで体験できることは楽しい。ブレヒトってアメリカに渡ってからこんな
ギャング物を書いていたんだ。だがしかし、単純なるアメリカンなシロモノではな
い。アルトゥロ・ウイというギャングの親分を、ヒトラーに見立てているのである。
文字で読んだことはないが、とてもオモシロい戯曲であると思う。観ていて思ったん
だけど、かなり戯曲を改変しているように感じたがどうだろうか。
以下はあくまで私の個人的〈意見〉として、残念に思ったこと。マイクを仕込んでる
ような感じ(正確には知らない。多分マイクを通しての声なんじゃないかな、と想
像)の声の響き方が、不自然に感じた。俳優さんが、劇中、声を張り続けているの
で、そう感じたのかもしれない。あるいはその逆で、マイクを通すから、不自然に声
を張り上げているように聴こえたのかもしれない。劇団往来さん名物の〈前説〉は許
容できるとしても、終演後の〈後ろ説?〉は、凄みのあったラストシーンの余韻をぶ
ち壊しだった。
2025年02月21日
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