『来訪者』原作 J・B・プリーストリー、脚本+演出 しまよしみち、未来ワークスタ
ジオにて。
原作は英国の作家プリーストリーの『警視の来訪、』というより『夜の訪問者』とい
う題名の方が広く知られているかもしれない。
まだ6ステージも残っているので、ネタバレは避けますが、岩波文庫の表紙にはこう
ある。「息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し―何度も上演され、映
画化された、イギリスの劇作家プリーストリー(1894‐1984)の代表作。舞台は裕福な
実業家の家庭、娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪れて、ある貧しい
若い女性が自殺したことを告げ、全員がそのことに深く関わっていることを暴いてゆ
く…。」
推理戯曲ということなんだろうけれど、とらえ方によっては、つまり演出の解釈に
よっては、コメディーにもなり、ホラーにもなり、社会派にもなる。
しまさんの演出は、舞台を昭和初期の大阪に移しかえての関西弁での上演。まさに岩
波文庫のアオリ文句そのままに「息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返
し」。1時間45分があっという間の出来事でした。私は、社会派コメディのミステ
リーとして観劇していたのですが、ラストの予想もできない展開に予想通りぎょっと
させられました(は?)。深い余韻が残る。俳優の演技も関西弁でありながら節度を
保ち好感度が高い。
2025年06月03日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック


