2025年10月07日

5日(人形劇団クラルテを観た。)

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『星の王子さま』原作・サン・テグジュペリ、翻訳・内藤濯、脚色+演出・東口次
登、扇町ミュージアムキューブ01にて。

昨年に観せていただいた『銀河鉄道の夜』でも感じたのですが、そのとき以上に、時
間とともに人形であることを忘れて観ていました。操作し演じている俳優さんがそこ
にいるからかもしれませんが、ドラマの世界に取り込まれて、まるで自分がその世界
で生きているがごとく体験してしまっている気持ちになりました。

ご存知の通りファンタジーです。王子と飛行士の眼を通して観る世界には、現実にあ
るリアルというものは存在しません。しかし、私たちの日常でふと感じるような、こ
の世に生きていることの、存在することのリアリティがそこにあります。人形でしか
できないエンゲキがそこにありました。人形の造形も舞台美術も、仄暗いがファンタ
ジーの幻想世界へ誘ってくれる照明も、使用頻度の高さにもかかわらず決して鳴りす
ぎない音楽も、すべてがトータルに作品世界のリアリティの構築に貢献しています。
ファンタジーにおけるリアリティ、って相反するもののようですが、ドラマの本質こ
そニンゲン、つまるところ命の営みなのでしょう。人形が命をもっていました。

作品としては原作の力に負うところが大きいのかもしれませんが、演出の目配り気配
りの確かさが、この舞台をこれだけのものに仕立てたのだと感じました。



posted by yu-gekitai at 16:55| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

4日(くまとり劇倶楽部 日輪草『あしたは晴れる』の稽古は舞台稽古となった。)

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今回初の、公演会場である、国指定重要文化財中家住宅にての稽古。ここを使わせて
いただけるのは幸せです。

まずは本番のための、個人個人の場当りから始めました。そしたらそのまま、自主稽
古になってしまいました。そしてそのまま、そのページから熱く小返しを重ねる稽古
になってしまい、そのままラスト・シーンにまで到達してしまいました。中間部は、
まだ心もとないですから抜き稽古を重ねる予定ですが、次々回の稽古からは、目標通
りの通し稽古になるでしょう。順調です。熱い俳優のみなさんと鬼と化した演出者と
の、そのままな稽古でした。

チケットが残り少なくなっています。残り20席くらいだと思います。ぜひ、お早め
に、ご予約ください。私に予約いただいても対応できますので、よろしくお願いしま
す。



『あしたは晴れる〜私たちの演劇の作り方〜』

2025年10月26日(日)

13:30開場 14:00開演

国指定重要文化財 中家住宅にて(JR熊取駅下車徒歩ゆっくり15分)

作+演出・キタモトマサヤ

音響・大西博樹

出演・あずみ+木っ端+KAORU+KATSUYO+風見鶏大+野口幸子+キタモトマサヤ(出
演者の推定平均年齢は68歳くらいです)

入場料金・1000円(前売り予約のみ。当日券はありません)

予約Mail・ koppa31@gmail.com





posted by yu-gekitai at 09:29| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月01日

30日(くまとり劇倶楽部 日輪草『あしたは晴れる』稽古は最終段階。)

上演の新作は奇妙な構造のエンゲキ。っていっても私にとっては何でもないのです
が。

日輪草の公演『あしたは晴れる』の稽古が大詰めを迎えております。〈学び〉の稽古
から〈本番仕様〉の稽古へ。小返しをしながらの通し稽古。私、容赦なく厳しい、鬼
の演出家と化しております。日輪草のみなさんのファイトに、感激。台本21枚のうち
10枚目まで。熊取交流センターすまいるズ煉瓦館にて。



『あしたは晴れる〜私たちの演劇の作り方〜』

2025年10月26日(日)

13:30開場 14:00開演

国指定重要文化財 中家住宅にて(JR熊取駅下車徒歩ゆっくり15分)

作+演出・キタモトマサヤ

音響・大西博樹

出演・あずみ+木っ端+KAORU+KATSUYO+風見鶏大+野口幸子+キタモトマサヤ(推
定平均年齢68歳です)

入場料金・1000円(前売り予約のみ。当日券はありません)

予約Mail・ koppa31@gmail.com



あと、私への直接のご予約もよろしくお願いします。
posted by yu-gekitai at 09:30| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月28日

26日(劇団道化座を観た。)

『母の肖像』作・渡辺鶴(須永克彦)、脚色+演出・おおやかづき、兵庫県立芸術文
化センターにて。

神戸を舞台に、戦後から震災前までの昭和・平成の時代を、主人公の母への視点で振
り返るというコンセプト。スケッチの前半部と、主要登場人物が年を経てからの、あ
の頃は、の同窓会的な昔語りの後半部。

俳優さんの演技は安定しているし、三演を重ねる舞台なので、スタッフ・ワークもそ
つがない。良いものを観劇したような気分になれそうだが、そうはならないのには、
ちゃんと理由がある。野暮なことだと思うので、それはここには記さない。
posted by yu-gekitai at 09:31| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月14日

14日(くまとり劇倶楽部 日輪草の稽古は佳境に入りましたよ。)

winmail.dat
こんなことありませんか?

さるお店に入って腰をおろして、日本酒を頼みましたら、「お湯割りにしますか、水
割りにしますか」と店員さんに問われたこと。

私はあります。



さて、くまとり劇倶楽部 日輪草の公演が、いよいよ迫ってきました。



『あしたは晴れる〜私たちの演劇の作り方〜』

2025年10月26日(日)

13:30開場 14:00開演

国指定重要文化財 中家住宅にて(JR熊取駅下車徒歩ゆっくり15分)

作+演出・キタモトマサヤ

音響・大西博樹

出演・あずみ+木っ端+KAORU+KATSUYO+風見鶏大+野口幸子+
キタモトマサヤ(推定平均年齢68歳です)

入場料金・1000円(前売り予約のみ。当日券はありません)

予約Mail・ koppa31@gmail.com



あと、私への直接のご予約もオッケーです。



日を重ねるごとに稽古の厳しさも増してきました。鬼の演出家となっております。

さらに、私も出演します。

まあ、いってみれば典型的なメタ演劇です。全体がアヴァンギャルドで入り組んだ構
造のコントのような感じで、出演者のみなさん、ムツカシクて大変です。お客さんも
混乱して、アタマがオカシクなるでしょう。

是非、観にきてくださいませ。

よろしくお願いします。
posted by yu-gekitai at 13:29| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月02日

31日(劇団五期会を観た。)

winmail.dat
『歌姫』作・宅間孝行、演出・井之上淳、谷町劇場にて。

こんなヤツいてへんやろ、とか、こんな反応はオカシイやろとか、ツッコミどころが
多い台本だが、作者独自の美学がそうさせているのだと理解することにした。吉本新
喜劇の文芸版(文学版ではない)ということだろう。

中堅から若手俳優、プラス新人3人を配したキャスティングが見事。そのなかにどー
んと一枚、尾崎磨基さんを据えて、若手劇団にはないバランス感覚を保っている。扇
の要に尾崎磨基さんを据えることで若手俳優にとっても、大きな安心感を持たせるこ
とができただろう。さてこの舞台のイチバンの感想は、俳優陣の充実、ということに
尽きる。パワー重視のストレートな演技で単純な人物造形であるのだけれども、全て
の登場人物が、愛せるのだ。そもそもこの、愛せる、という感覚の所在は、戯曲にあ
るのか、演出者のプランにあったのかはわからないが、俳優たちがこのお芝居が好き
で好きでたまらないという気持ちがしっかりと伝わるし、きっと素晴らしく良い稽古
場での時間だったのだろうと想像させられる。とくに勝村愛さんの進境著しさをここ
に書き留めておきたい。

私ごとになるのだけれど、出演俳優14名のうち、新人の方ひとりを除いた13名の方
と、かつてご一緒させていただいたことがあることに驚きと感慨。その節はお世話に
なりました。みなさんの熱い演技に私の胸も熱くなりました。そして宅間氏の戯曲に
も、まんまと乗せられました。悔しいけれど熱いものがこぼれ、ませんでしたが、決
壊寸前でおました。

空間をうまく使い切った舞台美術もほめられてよいだろう。

劇団五期会の若手俳優の充実ぶりは、今後の劇団の躍進を大いに期待させる。
posted by yu-gekitai at 11:42| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月01日

30日(劇団コーロを観た。)

winmail.dat
『モモ』原作・ミヒャエル・エンデ、脚色+演出・棚瀬美幸、クレオ大阪南にて。

私が大学生だったころ、クラス内で、「『モモ』読んだ?」なんて会話があった。な
んせ文学部だったもので。ベストセラーだそうで、耳にする評判も高かった。箱入り
のステキな色合いの本を買った。読んだ。私の感想は、ツマラナイ、だった。『星の
王子さま』とは比べるべくもない。なんでこれがほめられるんだろう、と思った。筒
井康隆(私ン家の遠縁にあたるそうだ)や都筑道夫さんがひいきだったころだ。作者
エンデの思想は理解できるし少しは共感もできる。でもモノガタリは、ストーリーを
運ぶためのご都合主義のようで、作者が短い文章で示した方がわかりよさそうなもの
だ、と思った。本は読み終えてすぐに古本屋で換金した(か、友人に進呈したか、
だ)。本棚に並べておく気にもならなかったのだ。

そのモノガタリが原作の舞台。

舞台は6枚の出入り自由な白っぽい布が、ゆるやかなアールを描いて客席を向いてい
る。それが影絵を写したり映像のスクリーンにもなったりする。歌があり、ダンスが
あり、人形操作がありで、視覚的にも楽しい。音響の使用も秀逸で、70分の上演時間
にリズムとテンポを与える。異世界を彩る照明の美しさは、舞台そのものをインスタ
レーション作品として機能させたといってよい。俳優はモモ以外を5人で22役演じわ
ける。盛りだくさんである。観るべきものはたくさんある。しかしドラマの柱が伴わ
ないような気がした。ストーリーの優位性に甘んじてしまっている。本を読んだ時と
同様の感覚。それはひとえに私と『モモ』との相性の悪さの再発見であった。

俳優ではモモを演じたみやちともこさんの無垢でしなやかな演技に魅かれたが、6人
全員がほめられてよいと思う。

「遊び」や「モノガタリ」をするニンゲンとしての時間、なんて台詞があったと記憶
しているが(あいまいです。すみません)、観客席にいる時間こそがそれであったと
思うし、その時間を与えてくれたこの作品には謝意を示しておきたい。特に、俳優6
人という少人数での見せ方に、大変な困難と苦労が伴ったであろう脚色演出の棚瀬美
幸さんとスタッフのみなさん、お察しします。ご苦労さまでした。
posted by yu-gekitai at 10:52| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月24日

21日(大阪劇団協議会劇フェス2025前夜祭に参加した。)

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前夜祭パーティーは楽しかったです。スピーチも長すぎてごめんなさい。はしゃぎす
ぎてしまいました。谷町劇場にて。

で、散会後の退出間際に教えていただいたのですが、谷町劇場の掲示スペースに、テ
アトロ誌9月号のあるページのコピーが張り出してあって、驚き。3月に上演した
『あのころはフリードリヒがいた』が、今年の上半期のベスト作品に選ばれていたの
でした。谷町劇場を運営する劇団大阪に所属する篠原くんも出演しておりましたか
ら、掲示されていたのでありましょう。なんも知らんかったわ。9月号ということは
つい数日前の発売かな。

〈おくまん〉での二次会では私、審査委員であるという立場と、ベスト1作品の演出
者であるという高揚感で、なんか、もしかしたらエラそうな態度で話していたような
気がして、ひとりになってから恥ずかしくなって、ドヨーンと落ち込みました。

posted by yu-gekitai at 09:53| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月01日

31日(継続&再演。)

熊取町文化ホールから電話をいただき、第2回目の「伝承横山音頭大会」開催のオ
ファーをいただきました。今年と同じ時期。お盆の3週間ほど前。やるしかない。あ
りがたいことです。

また、今年の3月に、大阪演劇見本市にて上演された『あのころはフリードリヒがい
た』の、再演がありそうです。ありがたいことです。
posted by yu-gekitai at 07:41| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年07月31日

30日(劇団第一主義を観た。)

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『熊野(「近代能楽集」より)』作・三島由紀夫、演出・沢渡健太郎、STAGE+PLUSに
て。

私にとっては、長年にわたって演出してみたいとふとこっている(西村賢太さんのい
いまわしでおます)「近代能楽集」からの珠玉の一編。沢渡さんの演出からは、戯曲
との格闘の跡がしっかりと見える。空間にもテンションが張り巡らされていて毅然と
していて好ましい。ドラマを構築する手つきもあざやかだ。戯曲が素晴らしいので安
心して楽しめた。だがしかし、演出者に些細な迷いがなかったか、という思いはぬぐ
えない。具体的には俳優の演技と衣装についてだが、どこかバランスを欠いているよ
うに感じたのは私だけだろうか。

posted by yu-gekitai at 11:28| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | キタモトのひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする